東洋医学では太陽や月の動き、季節に合わせた天人合一法則(自然や季節をみる、旬を取り入れる)によって生活することを最高の健康法と考えます。
その中でも、我々の体に備わる精(精力、生命)、気(元気、体をめぐるパワー)、神(精神)のバランスを維持することは養生法の根本であると考えます。また、「未病を治す」「未老を養う」という考えも漢方養生学の基本です。
上記のように養生法というのは一つではなく様々な考え方があります。例えば、季節養生法、飲食養生法、音楽養生法、運動養生法、房事養生法、薬膳、薬酒、薬茶などがあるとされています。自分に合う養生法をみつけられるよう三吉整骨院では指導及びアドバイスいたします!
自然に従え、季(とき)と暮らす、二十四節季の養生法
例えば、二十四節気である3月6日頃の「啓蟄〔けいちつ〕」は「春になって虫が穴から出てくる」という意味です。
本来の暦では子の頃、自然を感じ、蕗の薹(フキノトウ)は早春に葉が出て、花を咲く前に採りますが、旬を味わい、代々伝承の知恵を学んで、自分らしく爽やかな気分で、健康な人生を過ごせるとされているのです。このような暦をよむことで季節に従った養生ができるのです。
しかし、実際に体調をどういう風に管理すればいいか、どんな食事を摂ればよいか迷ってしまうと思います。そこで白露と秋分を例にとり、具体例をあげつつ解説したいと思います。このほかにも知りたい方はぜひ二十四節気を調べてみてください。
寒露 (新暦10月8日~10月22日)
寒露とは「かんろ」と読み、露が寒冷で凝結しようとする意味があり、秋の深まりを思わせます。
秋空高くまことに爽やかな季節、山を飾る紅葉さえる頃となりました。
北から雁が渡ってきたり、菊の花が咲き始め、コオロギやキリギリスが鳴き出します。
こころがけること
この時期は途中から土用に入りますが、土用の間は周りから自然に動かされるように流れていきます。自ら動くのではなく、他人の気(パワー)を借りて、周囲があなたのために動いてくれることが成功に繋がります。
精・気・神を動かすには、気が必要です。気力が衰えるとむくみ、だるさを作るのです。
気持ちが前向きになるように、花をみて感動したり、感情を豊かにすることも大切です。
体質管理
東洋医学では土用と関係が深い体の部位はお腹、胃腸です。
食べ物をちゃんと噛んでうまく消化して吸収されますので、すべての健康の原点なのです。ものをおいしく食べられなければ、人生の楽しみは半減してしまいます。歯は骨なので老化とも関係がありますが、歯茎も大切、抜かなくてもOKなら、出来れば、抜かないでください。
むくまないように水分の多い食べ物に注意しましょう。
摂るべきもの
柿は、生柿であると炎症を抑えたり、鼻炎を改善します。干し柿は万人にとっての健康食です。風邪予防やさらに健康美容に最適です。胃腸炎や痔出血を治し、空咳・無痰などの秋から冬の季節にもピッタリです。粘膜や胃腸を丈夫にするし、肌を美しくします。ただし、生柿の食べすぎは便秘や下痢を起こしやすいので注意しましょう。
栗は補気作用が強いので、体力をつけ元気にしてくれます。耳鳴りや腰痛など虚弱体質を治し、生命力低下を改善します。胃腸を強化し、滋養強壮に優れています。
東洋医学では
ざくろは、消化吸収をよくし、収斂作用からおりものをよくし、止血や下痢止めの働きがあります。イチジクは不老長寿の果物と言われて、消化を助け便通をよくし、吐血や鼻血、のどの腫れや痛み、痔に効くと昔から言われています。
女性ホルモン調整のため、下腹部にある気海、関元、膻中等ツボに鍼灸・マッサージなどの治療は、シワ、シミ、など改善、肌の若さを維持するには素晴らしい効果が出てきます。
霜降 (新暦10月23日~11月6日)
霜が降り始めるころです。
銀杏の葉もすっかり黄金色にかわり、落ち葉が散り始め秋の深まりを感じる今日のこの頃。
春のさわやかな様子は「山笑う」、
夏のみずみずしさは「山滴る」、
秋山が紅葉する様を「山装う」、
冬の枯れたさみしさは「山眠る」と表現します。
これは中国の唐の時代から伝わる言葉です。
こころがけること
くよくよと悩みがちな時期ですが、同じことをグルグル考え続けても解決にはいたりません。さらに欠点や反省点が見つかってしまい、より深く思い悩んでしまいます。そんなときは好きなことをやってストレスを発散してください。
この寒くなる時期には全身のマッサージとかお灸とかお勧めます。ツボに手技、お灸を刺激すると温かいものがスーッと体に入って流れるのを感じることができると思います。
気が経絡を流れているのです。入浴や足湯でも体の流れを潤滑にすることができます。
体質管理
風邪をひきやすい時期に入るので、風邪の予防のため、特にコロナの時期には、家を出るとマスクをするのは当たり前ですが、普段からなにもなくてもマスクをしていると免疫力を弱めてしまうことがあります。洗剤の使いすぎや薬の使いすぎと同様に弊害があります。安易に薬などで治すのではなく、自らが持っている治癒力を高めるということも大切だと思います。そのために首に冷えないように、ちゃんと保温して欲しい、風邪につながるからです。
摂るべきもの
この後は冬が巡ってきます。冬ごもりのため、効率よくエネルギーを得られる食事が大切です。人には毒を食べても自然と排泄して体の恒常性をたもとうとするように、浄化能力を持っています。
歯がある時に使う筋肉がちゃんと使う、青汁をやめて、食べ物をよく噛んで、唾液が出て脳が動き、胃腸が動き。あごの骨が動き、骨盤に響き自然のあるべき姿に近づこうとするのです。ねぎや生姜、わさび、唐辛子など発散を促す薬味などの免疫力を高める食材を摂りましょう。
カボチャ、じゃがいも、さつまいもは、補気作用があり滋養、強壮、虚弱体質改善に効果があります。健胃作用があるので、虚弱を改善します。体の真ん中から丈夫にしていきます。毎日食べても良い食材です。 白菜やニンジンは潤いが出ます。利尿作用もありむくみを治し、美肌効果もあります。気疲れや食欲不振に効きます。甘みが多いので、じゃがいものように主食として毎日取り入れるべきではありません。
春菊は、肉が入る鍋料理にピッタリです。健胃、整腸効果があります。痰をとり、イライラを沈めてくれます。血液をサラサラにしてくれるので、シミ改善にもおすすめです。気の巡りをよくするので、不眠や寝ていても夢ばかりみてしまう人に最適です。
自然に従い、食事・茶事と暮らす
病気を予防し、健康に過ごすには、正しい食事をしなければならないという思想は、古くから多くの文化圏にありました。料理法をレシピというのは、西洋の世界では元々「処方箋」、「調理法」、「秘訣」などという意味があるとさています。
食べることは医療に通じるという考え、つまり「医食同源」は健康や疾患は飲食と密接な関係があるという考えです。
薬膳料理
料理とワイン、それぞれの味を引き立てる組み合わせは「ペアリング」と呼ばれますがお菓子とお茶にもそのような相性が存在します。
料理とワインのペアリングを楽しむように陰陽五行によって、二十四節気ごとに入れ替わる五種類のお菓子と五種類のお茶のペアリングを楽しみ、調和することによりまたそのれも養生に繋がります。
そして立冬には、昔から蜂蜜が入ったお菓子や生姜、なつめなど冷えをとる食材と一緒にお茶には紅茶やなつめ茶などをセットにしたメニューがあります。このようにこの二十四節気にはこの食材とこのお茶のセットといった組み合わせがあるのです。それさえおさえてしまえば皆さんも簡単に日々のお茶の時間に取り入れることができるのです。
中国の伝統的医学は陰陽五行説というもので体系化されています。
五行という考え方は東洋医学の基本的な考え方の一つであります。
五行とは人の病態や性質、味や季節の性質などなどいろいろな項目をすべて5つに表現しています。五行に従い薬草や食材の大まかな【寒・熱】などの性質や状態を5つに分類し調理したり、煎じたりします。【寒・熱】と温度をみるのも漢方独特なものです。東洋医学では食物や薬草を体に取り込んだ時の熱の概念がとても重要視されていてその概念は必要不可欠であります。
例えば、生姜を食べるとその辛い味成分により、血管が拡張し体温が上がるとされています。また、冷えを伴う病証や冷え性の場合には大きな役割を果たすのです。
東洋医学で用いられる五行説では、5つのエネルギーの調和を取ることで心身のバランスを保ってきました。例えば、五情(ごじょう)と呼ばれる「怒」「喜」「思」「悲」「恐」の5つの感情もそれぞれに振り分けられます。怒=イライラ、喜=興奮、思=クヨクヨ、悲=メソメソ、怖=怖がる。
これら5つの感情を持ち合わせていますが、どれか1つの感情が強すぎると、そこに分類させる臓器をいためやすくなると言われています。また、逆にその臓器が弱っているとそれに当てはまる感情が強く出るとも言われています。ある感情が強く出すぎる時には、それぞれに関係している味覚、酸味、苦味、甘味、辛味、鹹味/かんみ(塩味)などの五行を使ってみるのもよいでしょう。
また、5つのエネルギーには、それぞれに色(五色)があり、その色味の食材をつかってバランスを取ることもできます。 食物を五穀、五果、五畜、五菜、五味(酸味・苦味・甘味・辛味・碱味)、五色(青・赤・黄・白・黒)に分類し、病気に応じて効果のあるものを選択して食べるということもできます。
このように五行は五行同士を組み合わせることにより、この病気にはこの食物を与えるなど細かく定めることができるのです。
いかなる季節にいかなる食物を食べるべきかという指標にもなります。この五要素の働きが平衡状態にあるとき人間は健康であり、不均衡になると病気が生じると考えるのが東洋医学の根本です。
そしてこのアンバランスが身体に蓄積した不健康状態から回復するには、食事療法をするのがもっとも有効であり、薬草はその補助手段であると考えられてきました。これは、薬膳料理の原点だと思います。
中国文化の影響を強く受けた朝鮮にも、五穀と五種の野菜は人を養う薬であり、日々少なめに食すべしという食時五戒といものがあります。中国で発達した本草学では、自然界にあるすべてのものについて人体に対する薬理作用があるという研究がされていました。そのため古来より「食べるもので病気を予防し、健康維持をしていこう」という文化が育まれました。
代表的な主食はお米。スープやメインのおかず、キムチなどの副菜をつけた献立が一般的です。韓国のレストランでは料理を注文すると、注文したもののほかに、異なる5つの食材、5種類の味が含まれているキムチやナムルなどの小鉢もたくさん並べられます。
近年、日本で流行している薬膳料理は、これらの中国の伝統医学、生薬医学に基づいた食養生料理です。薬膳料理の基本は体を温める食物と冷やす食物の使い分けです。例えば、風邪をひいて、寒気や悪寒を伴うときは、血液循環や栄養成分の吸収を促す温熱性食物である甘酒粥や生姜と干しエビの粥がよいとされており、高熱があるならば鎮静、消炎作用のある寒冷性食物である大根と干し貝柱の粥が良いとされたいます。あるいは春菊と菊の花の粥も有効でしょう。皆さんが聞いたことのないメニューがたくさん出てきたんではないでしょうか?このようなものを勉強することもまた面白いものですよ!学びながら健康になり養生を行うというのが理想なのです。
薬膳茶
「薬膳茶」は「薬」と「茶」の2つの意味合いを持つ飲み物ことで、「薬茶」とも呼ばれています。古来から多くの薬草が病気を治すために使われてきました。その中でも香りがよく、甘みなど様々な味わいをもつ薬草がありました。花や葉、果実、茎、根茎など部位によって味わいに違いがあることが知られています。そのことに注目して中国ではそれらの薬草を加工して飲み物として楽しんできた歴史があります。薬膳茶は効能ばかり求められるのではなく、味事態も楽しむために飲まれてきたのです。
中国では朝起きてから不足していないか確認しなくてはいけないこと(モーニングルーティン)に「柴(薪)、米、油、塩、醤、酢、茶」とあります。茶が生活の中でなくてはならないものだったことがわかります。
薬膳茶を作るときに使う材料には「食材」「茶葉」「中薬」があります。
まず、「食材」とは一般的に料理に使われる材料です。「茶葉」は緑茶や紅茶に使うようなお茶っぱのことです。「中薬」は美味しくて効能があり、生薬などの材料にもなるものを指します。また、性質、味、効能を持ち「食材」「中薬」としても使えるものをまとめて「食薬」と呼びます。「食薬」を使用する際はそれぞれが持つ「五気」「六味」「昇降浮沈」「帰経」の特性と特徴によって使い分ける必要があります。
三吉薬膳茶庵の夢
いつか、三吉の薬膳茶庵をやりたいですね、夢なんですけど・・・
今現在の三吉鍼灸整骨院に通っている患者様にどのように食事やお茶などで養生するか、良くアドバイスをしています。鍼灸治療についてもよく相談します。
例えば女性であればホルモン調整のために下腹部にあるツボ(具体的には気海、関元、膻中)に鍼灸及びマッサージなどを行うことでホルモンバランスの調整ももちろんですし、シミやシワなどの改善や肌の若さを維持するには素晴らしい効果が出てきます。つなわち美容にもつながるのです。真の施術というのはすべてバランスを重んじるのです。
その結果体の均衡を整え、美容にも繋がるということなのです。