足の厥陰肝経

一、気血流注
起:足の第一趾外側端にある大敦から起きる。
絡:足背、内果の前、下肢の内側に脾経と交わり、膝窩内側、大腿内側に沿って、陰毛の中に入り、生殖器を巡って、側腹部を上がり、胃を挟んで肝に属し、胆を絡う。
分:期門からさらに横隔膜を貫いて、食道、気管、咽頭、目(眼球、視神経)に連なり、額にでて、百会で督脈と交わる。         

【五要穴】

本穴:大敦、募穴:期門、絡穴:蠡溝、郄穴:大都、

大敦(井木)行間(栄火)太衝(兪土)中封(経金)曲泉(合水)

二、生理作用
肝は、臓血、疏泄を主る、筋、目を支配する、つまり、高揚と通暢である、この働きによって、肝の気血が円滑に、伸びやかに、隅々まで行き渡ります。
肝鬱になると、気血が詰り、精神も鬱になりやすい、イライラして怒りっぽいなどの症状が出てくるし、胆汁の分泌が悪いから、胃脾の消化に助けられなくて、胃脾の病とる。
視力低下、筋肉が萎縮などの症状も出てくる。

肝経、衝脈、任脈三つとも女子胞から起きるから、女性の生殖機能に密接な関係がありますので、生理、不妊には考量しなければならない経絡である。           


三、中医臨床症状応用
主な症状は伸展、屈曲不能な腰痛、胸脇帳満、下腹疼痛、疝気、咽頭乾燥、口内苦い、めまい、イライラ、怒り抑えりにくくなる。下肢のふらつき、五心煩燥、生理不順。不眠多夢など。
実症:肝気鬱滞、肝火上炎
虚症:肝陰虚、肝血虚、肝陽亢進(陰虚の陽亢)

四、個人的臨床に使う穴
・曲泉:合水穴で筋肉萎縮にはとても大事なツボである。
・大敦:お灸で疝気、生理多量、閉経、更年期障害など
・行間:栄火穴、亢進の場合、このつぼを鍼灸瀉法で、面熱目赤、燥咳失眠、五心煩燥などの症状には効果ある、陰部掻痒、小便熱痛、生殖器熱証も有効である。
・太衝:実、虚両証有効なツボである。清熱解毒、志定安神。生理不順、陽萎遺精、ウツなど
・中封:封藏するため、腎藏精、肝藏血。固摂作用がある。 お灸、推拿で太衝から中封までの補法手法じゃなければだめです。

子午流注の肝経
23時~1時の間は胆経、1時~3時の間は肝経の時間である、肝は臓血の機能があり、この時間に横になってゆっくり休んで全身の血液が肝に戻って、心身ともにリセットされ、逆に、足の少陽胆経と足の厥陰肝経の調子が悪くて深夜なのに眠らなくなる。
日本の文化の中に居眠りが含まっている。電車の中で寝ている方もよく見える。なのに、世界中に睡眠時間がとっても少ない。
睡眠不足のリスクは西洋医学には考慮して疲れになりやすい、疲労回復は遅くなるなど。
東洋医学では、深夜なのに、よく睡眠をとれなくて、胆、肝に負担かかりますので、最後に肝に関り病気になりやすいので、とっもて大事なことです。